アウトドアショップに行くと豪華な燻製器(スモーカー、スモーククッカー)や、使い捨てのダンボール製燻製器など、色々な種類のものが販売されており、キャンプ場などのアウトドアでは燻製づくりをしている人もよく見かけます。
私も時々ですがアウトドアでの燻製づくりに挑戦しており、何度か失敗も経験しています。そこで、一番簡単で手軽な方法と思われる、手作りダンボール燻製器を使用して燻製を作るための簡単な基礎知識の整理と、アウトドアに適した作り方、食材選びなどについてまとめましたので、参考としていただければ嬉しいです。
キャンプに適した燻製の基本情報
主な燻製の製法とアウトドアに適した製法
燻製の主な製法としては「熱燻」、「温燻」、「冷燻」があります。簡単ですが、製法とその特徴を表にまとめてみました。(温度については、私が使用している燻製用温度計に記載されていたものです)
燻製の製法 | 温度 | 一般的な燻煙時間 |
熱 燻 | 100℃前後 | 短い |
温 燻 | 50℃~80℃ | 普通 |
冷 燻 | 30℃以下 | 長い |
熱燻については管理する温度が高いため、専用のスモーカーなどを使い温度計を確認しながら調理するか、内部温度計を使用しないと、温度が低く熱が入りきらなかったり、熱が入り過ぎてしまう可能性もあるため、ダッチオーブンやメスティンを使用した熱燻は、やや玄人向けと考えています。
また、冷燻については燻煙時間が長く、食材によっては燻製時間が1日を超えるものもあり、キャンプなどで作るには向いていないと考えました。
今回はダンボールを利用した燻製器を使用しますので「温燻」が向いていると考え、温燻を行うことをメインとして整理しました。
キャンプでのおすすめ食材と味付け方法
一般に味付けは、塩分濃度の濃い調味液に長時間つけこみ、その後流水等により塩抜きすることで、全体を均一の味付けにするそうですが、下準備がとても時間がかかってしまいます。
味付け方法について
キャンプでは燻製以外にも料理を作り、食べるでしょうから、他の料理食材・器具の準備も必要です。また、アクティビティの準備、テント等の準備とかなり大変なので、チーズなど最初から味が付いた食材を使う方法と、食材に塩などを直接もみ込み、水分量も低下させる方法(乾塩法というそうです)が、手間が少ないので、おすすめです。
キャンプに向いている食材はどんなもの
まず、今回行うのは「温燻」です。低温殺菌効果も期待できるかもしれませんが食材の内部温度を確認するのも難しいため、必ずそのまま食べられる(若しくは生で食べられる)食材を選ぶのが無難です。
更に、チーズやちくわなど、水気も少なく最初から味がついている食材を選ぶと、乾燥、味付けの手間も省略することができるので、よりおすすめです。
スモークウッド・スモークチップの種類と選び方
アウトドアショップや通信販売などでは、様々な種類のスモークウッド・スモークチップが販売されています。では、キャンプで燻製を行う場合な、どんな種類を選べばよいのかまとめました。
ウッドorチップ
熱燻であればチップ一択と思いますが、温燻であればどちらも使用可能ですので、どちらを選んでも問題ないですが、下に記載した理由から検討した結果どちらも捨てがたかったのですが、簡単が一番なのでスモークウッドをおすすめします。
スモークチップは、下から炙る手間が必要ですが、お茶などの出がらしを混ぜて香りを追加したりするのも簡単ですし、煙の量も多く、比較的温度管理も容易です。
スモークウッドは、線香のように使うことができてとても簡単です。ただし、熱源はウッドのみですので、上手に使用しないと温度が上がらなかったりする場合もあります。
原木の種類
原木の種類は、サクラ、ブナ、リンゴ、ヒッコリー、くるみ、ブレンドされた物など様々な種類があります。
キャンプに最適なものを見つけるため、レシピ本などの書籍を参考にしたく図書館で調べましたところ、ComoAki調べではサクラが一番万能で様々な食材によく合う種類でした。(もちろん、好みにもよりますが)
万能であれば色々な食材に合うため、複数種類の食材を一気に燻煙したい場合はサクラを選び、こだわりの食材を燻製にするのであれば、その食材に合ったものを選ぶのが良いです。
ダンボールを使用した自作燻製器(スモーカー)について
母材となるダンボールは、スーパーなどで無料配布しているもの(できれば歪み防止のため、厚みのあるもの)で作ることが出来ます。また、中に入れる網やアルミ皿などは100均のもので十分です。
ダンボール内部の温度を確認する温度計だけは100均などで手に入らないかもしれません。安いアナログ式ですと、数百円で入手可能です。
実際に作ってみた記事はこちらです。
食材ごとのレシピ、温燻時間について
実際に、自作したスモーカーをつかってキャンプ場で燻製づくりを行いました。その時に使用した食材や、味付け方法、燻煙時間、肝心の味などについてご紹介します。皆さんの燻製づくりの参考となれば嬉しいです。
燻煙中は目を離すと危険です。ずっとテントを張ったサイトに居るのであれば良いのですが、見張りも付かれますので燻煙時間は2時間を限度として食材を選ぶことをおすすめします。
ゆでたまご
味付け | 水200gに塩6gを入れた塩水(約3%濃度)に1日漬ける。 |
乾燥時間 | キッチンペーパーで水気をとるだけ。 |
温燻の時間 | 2時間 |
味付けは、めんつゆに漬ける「味付けたまご」でも美味しいと思います。写真は、たまごの位置がスモークウッドに近かったこともあり、過剰に色がついています。
燻煙まえの味付けに注意すると、とても美味しく仕上がります。おすすめです。
6Pチーズ
味付け | なし |
乾燥時間 | なし |
温燻の時間 | 2時間 |
温勲の場合、チーズは溶けて落下してしまう恐れもあるので、下にアルミホイルなどを敷くと良いと思います。
とても美味しくできました。手間もかからないためおすすめです。
ちくわ
味付け | なし |
乾燥時間 | なし |
温燻の時間 | 2時間 |
色はあまりつきませんでしたが、食べるといい風味に仕上がっています。チーズ同様に手間がかかりませんのでおすすめです。
たくあん (いぶりがっこ風)
味付け | なし |
乾燥時間 | 冷蔵庫で1日乾燥 |
温燻の時間 | 2時間 |
「いぶりがっこ」の風味を目指し、燻煙時に「ザラメ」も加えて燻したのですが、煙の風味が付いただけの、普通のたくあんに育ってしまいました。
上の表よりももう少し水分を抜いて、燻煙時間を延ばせば変わるかもしれませんが、時間がかかり過ぎてしまいますので、キャンプではおすすめできない食材のようです。
2021年7月1日追記
スモークたくあんは、キャンプ場では煙臭くなった、普通のたくあんでしたが、3日後に食べてみると、とても美味しく仕上がっていました。(熟成に時間がかかるのかもしれませんね)
サーモン (スモークサーモン)
味付け | 刺身用のサーモン200gに対して小さじ0.5くらいをも見込む |
乾燥時間 | キッチンペーパーで水気を吸いながら1hくらい乾燥 |
温燻の時間 | 2時間 |
お店で売っている、高級なスモークサーモンは冷燻で作られるようですが、温燻に挑戦しました。刺身用のサーモンをベースにしましたが、温燻により加熱されたのか刺身の食感ではなくなってしまいました。
でも、味はスモークサーモンそのもの。とても美味しかったです。若干の手間はかかりますが、アウトドア燻製をするのであれば、かならずやった方がよい食材です。
完成後の熟成について(燻煙後すぐには食べられません)
熟成と聞くと難しいイメージとなりますが、燻製後の熟成とは外気に晒して煙臭さをとることを言います。
完成直後はまだ煙の味がするため、完成した燻製本来の美味しさは損なわれてしまいますが、外気に晒して煙臭さをとることで、本来の美味しさとなったり、旨味が凝縮されたりするとのことです。
キャンプ場では長時間の熟成時間をとることはできませんが、食材に応じて1~2時間(気が長ければひと晩)は待ってから食べるようにしてください。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
キャンプ場などで簡単にできる、燻製の基礎知識と失敗しない食材の選び方について整理しました。
- キャンプでの燻製は温燻がおすすめ
- スモークチップよりスモークウッドが簡単
- 原木はサクラが万能器
- 食材は水分を少ないものを選ぶ
熱燻をするには・・・
簡単に熱燻する方法を他のキャンプブロガーさんに教えてもらいました。
100円ショップでうっている土鍋で手軽に熱燻できるので、おすすめです。私もやってみます。